未成年後見人と特別代理人の違い

親の死亡後に未成年者の「代理人」が必要になるケースには「未成年者後見人」を選任するケースと「特別代理人」を選任するケースがあります。

これらにはどういった違いがあるのでしょうか?

今回は、未成年後見人と特別代理人の違いやそれぞれを選任すべき状況について、解説します。

 

1.未成年後見人とは

未成年後見人とは、親権者がいない子どものために財産管理や身上監護を行う人です。両親が死亡したケースや、離婚して子どもを引き取った親が死亡したケースなどで選任されます。

 

2.特別代理人とは

特別代理人(民事訴訟法35条)とは、法定代理人(親権者や未成年後見人)がない場合、または法定代理人と未成年者との間で利益が相反する場合において、未成年者の利益を守るために選任する代理人です。

たとえば父親が亡くなって母親と子どもが相続する場合、母親が子どもの親権者となって母親との遺産相続割合や方法を決めると、母親が自分の相続割合を増やして子どもを害する可能性があります。そこで子どものために特別代理人を選任して遺産分割協議に参加させ、子どもの権利が害されないように対応します。

また、たとえば、両親が亡くなり、未成年者の兄(成人)が未成年後見人に選任され、未成年者と兄(未成年後見人)との間で遺産分割をする場合にも、同様に特別代理人が必要になります。

なお、この場合でも、未成年後見監督人が選任されている場合はには、後見監督人が未成年者を代理することになりますので、特別代理人選任の申立ては必要ありません(民法851条4号)。

 

3.権限の内容

未成年後見人と特別代理人は、その権限内容も大きく異なります。

未成年後見人は、いわば親権者の代わりになる人ですから未成年者の財産全体についての管理権や未成年者への身上監護権を持ちます。

一方、特別代理人は、遺産分割協議などの特定の手続きについてのみ代理権を認められます。特別代理人が未成年者の身上監護を行うこともありません。

 

4.就任期間

未成年後見人は親権者の代わりになる人ですので、未成年者が成人するか婚姻するか、あるいは死亡するか別の養親ができるまで職務を続ける必要があります。子どもが小さければ10年以上就任期間が継続するケースも少なくありません。

一方、特別代理人は、遺産分割協議などの特定の手続きについてのみ選任されるので、その手続が終わったら任務を終了します。

親が亡くなられて未成年が残されると、いろいろと対応に迷うことがあるものです。お困りであれば、弁護士までご相談下さい。

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